Manic Street Preachers - Suicide Is Painless
![]() ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ |
バシッと平手打ちされるようなタイトル、読むほどに混沌に陥ることがなぜか快感な歌詞、そしてまるでおもちゃ箱をひっくりかえしたように多彩な楽曲・・・。こんなに痛快なロックアルバムは久しぶり。サウンドは一見荒々しいけれど、タイトルと歌詞がインスパイヤするイメージを具現化する歌メロとGサウンドの作りはとても良く練られている。
随所にカッコよく音色もガッツリのGリフが出てくる。個人的に受けてしまったのは、タイトル曲の“RUSHに似てるなぁ・・・”(後で解説読んで納得)。日本版ボートラのラスト曲、残り3分程度に出てくるシークレットトラック、これもいい味出しています。 ・・・そして、リッチーの研ぎ澄まされ“すぎてしまった”感性とインテリジェンスが、メロディーが美しいほど、グサグサ心に突き刺さってくる。 痛快で、せつなく、ワイルドで、美しい・・・、売れるかどうかなんて問題ではない、傑作です。 |
![]() ラウダー・ザン・ウォー~ライヴ・イン・キューバ [DVD] |
エブリシング・ライブ('97)<未DVD化>、リーヴィング・ザ・20th・センチュリー('00)
<日本版現在廃盤>に続く彼ら3作目のライブ作品。本国では'01にリリースされていたも のが、ようやく本邦初発売となった。 フォーマットとしては、UK版と全く同じ。日本版ボーナス・コンテンツは何ひとつ有りませ ん。邦版が、待てずに、PAL仕様の原盤を購入してしまった方はわざわざ買い換える必要 はないでしょう。 キューバに於いて、西側のロックグループとしては初の公演ということ、そして彼等自身も幾 度目かのピークを向かえていた時期というのもあり十分気合の入ったシャープな演奏を展開 しています。ドキュメンタリーとしても楽しめます。 但し、これだけ日本版のリリースを遅らせたのだから,例えばフォーエバー・ディレイト('02) のDVDリリース以降のビデオ・クリップなどをボーナス・トラックとして収録するなどの配慮は欲しかった。 ソニーとしたら演奏されてる曲の対訳を字幕で表示することで、チャラにしたつもりなのだろ うが、その訳も凡庸なもので決っして褒められたものではないと、個人的には思うのだが ・・・。 追記:ボーナス・ライブ・トラックとして以下の6曲が本編とは、別に収録されています。 1.so why so sad 2.a design for life 3.the masses against the classes 4.you stole the sun from my heart 5.raindrops kepp falling on my head 6.freedom of speech won't feed my children |
![]() Johnny the Homicidal Manic: Director's Cut (Lenore Collection, No 1) |
魅力的な絵とユニークなキャラクターで織り成す恐怖の物語、JTHM。主人公は殺人鬼のNNYことジョニー(Not Happy!)。物語ではマーダーとしてのジョニーだけではなく、ジョニー自身の苦悩も描かれている。英語が分からなくても絵だけで十分楽しめる。辞書を片手に読みすすめれば、パンチの効いたブラック・ユーモアがあちこちに散りばめられているのに気付くだろう。 読み終わった時、ジョニーの言う“This is not me”の意味を考えて欲しい。殺人と自殺未遂を繰り返すジョニーは、決して私達と異質の存在ではない。私達は、誰しも“ジョニー”になる可能性を秘めているのだ。 |