古事記の神話と聖書(1/6)
古事記 |
日本最古の書物:古事記をテーマにしたコンセプト・アルバム。アメリカ人が日本のミュージシャンに求めるのは、「日本ならではの音」だそうで、それに見事マッチした本作は、特にアメリカで大ヒットしました。
この作品あたりから、大作指向が鮮明となり、聴くのに決意が要るようになりましたが(笑)、メロディーはどれも良いです。 この作品のハイライトは、天照大神(あまてらすおおみかみ)を天の岩戸から誘いだそうと、宴を催す「饗宴(MATSURI)」です。まさに「祭り」のメロディー。音をお聴かせできないのが残念ですが、どこかにサンプルくらいはあるでしょう。是非聴いてみて下さい。「シルクロード」以来の代表作となりました。 |
図説 地図とあらすじでわかる!古事記と日本書紀 (青春新書INTELLIGENCE) |
古事記、日本書紀のストーリー展開をまとめて、図になっているので取っつきやすいです。
ただ、説の一つを断定して言い切っていたり、ちょっと違うかな、知ってる、教えられていることと異なるなと思うところも出てきて違和感を感じます。 上代文学専門の先生が作者とのことですので、神道学とは若干異なるところがあります。 |
現代語訳 古事記 (河出文庫) |
私は古文はさっぱりなので、古事記を読むにも分りやすい現代語訳に頼るしかありません。
その中で、本書ほど読みやすく、分りやすいものはありませんでした。 参考に挙げますと、他には、学研M文庫「古事記」(梅原猛著)と、文藝春秋「口語訳古事記 完全版」(三浦佑之著)を読みました。これらも素晴らしい訳と思いますが、本書ほどではありませんでした。 ほとんどの古事記の本では、解説をページ下段や別ページに置き、その解説を参照しながら読むのですが、そのような読み方では、視線を解説に移す度に思考が止まり、なかなか内容が把握できません。しかし、本書は、解説をみなくて済むよう、最小限の解説を本文自体に埋め込むことで、リズムを掴んだまま楽しく読むことができます。 他の著者達は、素人が読むにはこういった配慮が必要と考えないものなのかなあと疑問に思います。 古事記は、表面的に見ると、漫画以下のお馬鹿なお話に感じるかもしれませんが、聖書や仏典、あるいはタオイズム(道教)に全く劣らない深く壮大な世界を秘めています。特に我々日本人には非常に重要なものを持っているのではないかと感じます。 できれば、この読みやすい古事記を何度も読み、日本人のDNAに潜む神秘な力を呼び覚まして欲しいものと思います。 |
化粧する脳 (集英社新書 486G) |
脳科学者の茂木健一郎氏と恩蔵絢子氏、カネボウ化粧品の共同研究による、
美や化粧の本質に関する研究成果をかみくだいて書いた本。 一般良識でいうと、人間を外見で判断したり、 化粧に拘泥することはほめられたことではない。 しかし人間は顔によって他人をパーソナルアイデンティフィケーションしており 人間は中身が大切であるという正論にかかわらず、 実生活において、外見もまた重要であるということは既知の事実である。 自己の姿を鏡にうつし、他者の視線を意識し、 より良いと考える自分へと変化させる化粧という行動は、 脳科学で解けば、社会的知性という 他者とのコミュニケーションに不可欠な特質を現しているらしい。 またよく嘲笑的に語られる、同一コミュニティ内の女性の化粧が似ており 他コミュニティから見ると、その区別がつかないほどということも 共感能力をもつが故の現象であるという。 褒められたことではないと思っている事柄が 人間としてのすぐれた能力の発露であるとわかり、興味深かったです。 化粧することで人間の内面も変化するキラーパスについて述べられる一方、 もちろん内面と外面の乖離は、現実としてあることも書かれています。 |